ある場所における地震動の強さの程度を表す階級。震度階。気象庁震度階級では、以前は震度0（無感）・1（微震）・2（軽震）・3（弱震）・4（中震）・5（強震）・6（烈震）・7（激震）の8階級に分けていた。平成8年（1996）からは、震度5と6をおのおの弱と強に分けて、10階級で表すようになっている。かつては、人体の受ける感じや周囲の状況などによって推定していたが、この時から、計測震度計により自動的に観測し速報するようになった。
※ デジタル大辞泉より
辞書的な定義は引用のとおりで『ある場所における地震動の強さの程度を表す階級』です。
兵庫県南部地震（阪神淡路大震災）をきっかけとして、震度階級の見直しと観測網の整備などが行われることにより、人感（測定点担当者）による判断から機械測定によって行われるようになりました。
震度階級が10段階になったと共に、震度7 もそれまでの被害状況を確認しての判断から、測定による即時決定となった。これは、当時の政府が震度6という判定を、地震被害対策の遅れの言い訳にしたためとも言われています。
加えて、それまでの震度に加えて発表されていた「無感」から「激震」までの表現は使用されなくなりました。個人的には、過去に「微震」、「弱震」「強震」といった発表があった事を記憶しており、いつからそれが消えたか、もっと以前だったと思っていましたが兵庫県南部地震後というのが意外でした。
図1-4-1-1 全国地震観測点マップ
図1-4-1-1 は全国に設置されている地震観測点のマップです。現在運用中（紺色）のものと、運用停止（茶色）のものがポインティングされています。全国くまなく設置されていることが良くわかります。
これらの場所で各種機器によって観測された地震情報が、即時に報告されて地震情報として発表されています。1996年までは観測点はすべて有人でしたが、その後は無人化が進んでいるだけでなく、デジタル化も行われているようです。
現在は 0 から 7 まで、5 と 6 には、弱・強 の2段階があります。この段階区分になる前は、8段階で先にも記したように、震度 7 は災害状況を確認した上で震度 6 から変更するという手続きを取っていました。
図1-4-1-2 福井地震震度分布（ 気象庁震度データベース より作成）
震度 7 が設けられたのは、1948年6月28日に起きた 福井地震 後です。図1-4-2 のとおり、最大震度は 6 となっています。
震度設定の歴史は、『地震と火山の観測史』によりますと、1884〜1898年までは「微震」「弱震」「強震」「烈震」の 4段階で震度観測がはじまったとされています。1898年からは、震度 0 〜 6 の 7 段階での測定が行われるようになり、福井地震後まではこの震度段階で地震揺れの強さを示していました。
くりかえしになりますが、福井地震後に 8 段階、兵庫県南部地震後に 10 段階となり現在に至ります。
図1-4-1-3 福井地震震度分布マップ 2
図1-4-1-4 兵庫県南部地震震度分布マップ
※ 右上のアイコンを開くと震度階層の 表示/非表示 ができます。
※ 現在の 10 段階に準拠しています。
福井地震と兵庫県南部地震の震度分布マップを比較すると、1948年と1995年の観測点がそれほどに差がないように見受けられます。
福井地震は 震度7 という震度階級が設けられました。兵庫県南部地震は、地震観測にとっても一大インシデントとされてその観測体制に大変革をもたらしたと考えられます。
1.4.2 震度（その2）につづく・・・
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